誕生編 ② 2026.07.13

「なぜ“人”でなく“AI”に任せたのか」――制約が引き寄せた、秘書という解

仕事をしながらの事務作業は、地味にこたえる。誰か、秘書がほしい――。だが開発者ケンが選んだのは、人ではなく、AIだった。人を雇う余裕はない。でも、賢いAIなら低コストで雇える。しかも、24時間いつでも。なぜ“人”ではなく“AI”だったのか。その判断を、コストと能力の現実から読み解く。誕生編・第2回。

※個人の財務にあたる具体は伏せ、一般的なコスト比較で説明します。

① 調査でわかったこと

「事務を任せたい」とき、人を雇うか、AIに任せるか。コストの差は、想像以上に大きい。人間のアシスタントを雇えば、年に数百万円規模の人件費に加え、戦力になるまで数か月の育成期間がかかる。一方、AIのアシスタントは月あたり数千〜数万円ほど。試算によっては、人間を雇う場合の数十〜百倍以上のコスト差になるという。

差は値段だけではない。AIは24時間いつでも稼働し、最初から“即戦力”。人間が数か月かけて慣れる立ち上がりが、AIには要らない。もっとも、見落としてはいけない点もある。AIが得意なのは、繰り返しの・情報を扱う作業。複雑な判断や、人と人の関係が要る仕事は、いまも人間に分がある。だからこそ――AIに任せるべき領域と、人間が握るべき領域を、最初に見極めることが要になる。

② どう活かしたか ―― 開発者ケンに聞く

「秘書がほしい」と思ったとき、なぜ人ではなくAIを選んだんですか。

ケン

まず、現実として、人を雇う余裕がなかった。でも、調べてみたら――人より賢いくらいのAIが、信じられない安さで雇える。しかも、夜中だろうが早朝だろうが、いつでも対応してくれる。仕事をしながらの事務処理を任せる“秘書”として、これ以上の条件はなかったんです。制約があったからこそ、AIにたどり着いた、という感じですね。

ただ、AIに“何でも”任せたわけではない。

ケン

そこは、最初から線を引いていました。AIは、あくまで“道具・相棒”。数字の計算や書類の整理、覚えておくこと――そういう繰り返しの事務はAIに任せる。でも、最終的な判断や、現実の人との関係は、自分と、現実の側に置いておく。便利だからって、人生の舵まで渡したら本末転倒ですから。この“線引き”は、ずっと後まで、AIブレインの根っこに残り続けることになります。

制約があったからこそ、AIという解にたどり着いた。ただし、舵は渡さない。

③ 結論

「人を雇う余裕がない」という制約は、弱みではなく、むしろ“AI秘書”という最適解を引き寄せた。安く、賢く、24時間。事務作業の相棒として、AIは理にかなっていた。だが同じくらい重要なのは、ケンが最初から「AIは道具、舵は自分」の線を引いていたこと。便利さに溺れず、道具として使いこなす――その姿勢は、出発点からすでにあった。この一線が、後にどんな“かたち”へ育っていくのかは、いずれ訪れる章で見えてくる。

④ 次回

AIに事務を任せる、と決めた。では、その“記憶”を、どこに置くのか。クラウドの便利なメモアプリも、選択肢としてはあった。だが開発者が選んだのは、自分のパソコンの中――「ローカル」だった。なぜ、わざわざ手元に置いたのか。次回・誕生編③「なぜObsidian/ローカルだったのか」では、記憶の“置き場所”をめぐる、もう一つの大事な選択を追う。


出典・参考

・AIアシスタントと人間アシスタントのコスト差(月数千〜数万円 vs 年数百万円規模+育成)/24時間・即戦力:AI仮想アシスタントに関する各種比較(2026)
・AIは繰り返し・情報処理が得意、複雑な判断や関係性は人間に分がある:同上の留意点
・「AIは道具、舵は自分」の線引き:開発者ケンへのインタビュー(2026年)
※財務にあたる具体は伏せ、一般的なコスト比較で掲載。引用は趣旨に基づく要約。

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